結局、浮気疑惑のだんなは一人で3ゲームやってから、ボーリング場を後にした。
その間我々のゲームの勝敗は、イトームズ0勝3敗で、ジュース代、くつ代、ゲーム代のすべてを彼が払うことになった。
「結局誰とも会わなかったな…。時間でもつぶしていたのだろうか」
「かもしれないな。しかしあわてることはない。その答えは、彼の次の行動が教えてくれるはずさ」
そう言いながら、イトームズは自分のスコア表をびりびりにやぶいていた。それはもうビリッビリに。
だんなが次に向かった先は、カラオケボックスだった。
「間違いない。彼はカラオケで女性と待ち合わせをしている。私の長年の探偵としての勘が、そう言っている」
力強くそう言いきった彼は、またもや一人で受付をしているだんなを見て、ドン引きしていた。
「う…うせやん」
「いや、まだわからないぞイトームズ。とりあえず一人で入って、先に歌って待っているのかもしれない」
「…うたってまってる?」
だんなの受付が終わると、我々もすかさず受付へ向かった。
用紙に記入しながら、彼の歌う時間、携帯番号、そして最も重要な会員カードをもっているかどうかチェックした。また、もしもの時のために、私達も音質にこだわった大きめの部屋をとっておいた。
「ワトソソ…彼の部屋はそこの角をまがった108で間違いないね?」
「ああ。直接部屋にはいかず、今はトイレにいるようだが」
「…ふむ。少々久しぶりだが、あれをやるチャンスだな」
そう言いながら、彼はボストンバックの中身をすべて出し始めた。
「ま、まさかイトームズ!?…わかった。ブログをみてくれている人には、私から説明しておこう!」
てなことで説明しよう。調査の正確性を高めるために我々がすべきことは、「みつからずに近くでみること」である。そのためにはものに隠れるのが一般的だ。
しかしそこでイトームズは考えた。「ものにかくれる」のではなく、「ものになってしまえばいい」のではないかと。そうして彼は、自らがボストンバックに入るといういばらの道を選択した。
名づけてこれが「エスパーイトームズ作戦」なのだ!よし、説明している間にボストンバックに入れたようだ。
「はい~」
私はボストンバックに入ったイトームズを、だんながトイレから帰ってくる前に、108号室に置くことに成功した。
~つづく~
PS.写真は「ユリ子」です。
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